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これはSF!? 『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』を読んで

『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』

 

 

未来予想は難しい。それは誰もが認めることだと思います。

ずいぶん昔のベストセラーですが、少しばかりレビューしていきたいと思います。

 

これはSF!?

J・D・バナール『宇宙・肉体・悪魔』を思い出しました。

または、オルダス・ハクスリーすばらしい新世界』とかですかね。

全然ディストピアものではないけど、

未来予想という意味では同じではないかな、と。

書いてあることは、玄田有史『希望のつくり方』に近いと思いました。

 

 

①長寿化によるマルチステージ化

原題は『The 100-Year Life』

わたしたちの寿命がのびることによって、何が起こるか。

 

わたしたちは100年を生きていく準備はできているだろうか。

人生100年と呼ばれるようになったのも、この本が発端だったんだろう。

 

とりあえず、100年生きていくには、お金かそれを生み出す仕事が必要ですよね。

有形資産を継続的に生み出す力が必要なわけですね。

そのためにいろいろな働き方というか生き方が提案されています。

今までのわたしたちは、

  1. 学生
  2. 就職
  3. 定年

という、一直線のレールの上を歩いてきた人がたくさんいたわけですね。

 

しかし、100年も生きるとなると、これだけではすまなくなってしまう。

これからどうなるかというと、

  1. 学生
  2. エクスプローラー(自分探しか?)
  3. インディペンデント・プロデューサー(定職という概念の発展的解消)
  4. ポートフォリオ・ワーカー(いろいろな仕事を)

と、様々なステージに分けられる、ということです。

 

後半で様々な問題提起もされていますが、

現代で語られている男女格差とかそういった問題と重複しているので、割愛。

 

とありえず、長寿化する、という前提に立って話が進みます。

長寿化しなかったらこの論理は通らないな、とも思いました。

バナールが、食糧問題の解決を前提に未来を語った時と同じですね。

 

②これから先に求められる力

有形資産だけは、長い人生は生きられない。

ということで、わたしたちは他に無形資産を3つくらい作るべきだと言っています。

 

  1. 生産性資産(スキル・知識など仕事で成功するための力)
  2. 活力資産(健康、友人関係、パートナーなど)
  3. 変身資産(変化に耐える力)

1と2はよくわかりますね。

3の変身資産というのが、面白い。

 

これから先の未来、やはり何が起きるかわからない。

そのために、変化に耐える力をつけよう。

それが資産だ、というわけですね。

すっごい、『希望のつくり方』を思い出します。

 

③感想

ベストセラーは、結局、当たり前のことばかり書いてある。

それだけ、当たり前のことが真理だということに、わたしたちは気づけない。

 

お金をためなさい。

知識とスキルを身につけなさい。

広い視野を持ちなさい。

心と体を健康に保ちなさい。

他人を大切にしなさい。

 

言われなくてもわかっているのに、言われないと行わない。

 

結局、難しいことは何もないんだ。

 

本の中に繰り返し出てくる

「レクリエーション」を「リ・クリエーション」に。

この本の結論は、ここに行きつくのではないかな。

学び、成長を続けなさい、と。

脳は鍛えられるのだから。(この本の序盤に出てくる言葉だ)

 

特筆すべきは、「変身資産」ではないかな。

予想外の出来事に対応できる力を、資産ととらえるという視点は素晴らしい。

意志力も、限りある資源であるというし。

「希望のつくり方」を知っていることも、とっても大切な資産だ。

 

いま、自分の大きな問題意識は

「意思決定」「セルフコントロールなんだけど、

それは、100年生きるのにも、大切な力なんだなぁ。

 

なにか、自分の人生を考えるきっかけになったら幸いです。

 

 

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